ドラブロ ーバス運転士の徒然日記ー

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京都市内の自動車教習所が6月末で閉所します

京都市左京区にある岩倉自動車教習所が、2022年6月末をもって閉所すると発表しました。
なかなか大きな自動車教習所だったということもあり、地元でも驚きの声が上がっていそうですね。

www.kyoto-np.co.jp

60年の歴史を持つ岩倉自動車教習所(京都市左京区)が6月末で閉所する。背景には少子高齢化や若者の車離れがあり、「現状では黒字経営だが、将来性を考えて判断した」という。 

同所は四輪専門の教習所として1962年に開所した。教習生は9割以上を大学生が占めてきたが、1990年のピーク時に比べて現在は3分の1ほどに減少しているという。

数年前から、全国の学生を集めようと京都観光とセットにした合宿免許を企画したり、空き教室や屋内駐車場をドローンの室内練習場として貸し出したりするなど、教習生の減少を補うための新たな事業を展開してきた。ただ、今後はさらに少子化や車離れが進むと見込まれることから閉鎖を決めたという。

閉所日までに卒業できなかった教習生は、他の教習所に引き継ぐ。跡地の活用法は未定。岩倉自動車教習所は「京都は他にも教習所が多くあり、自らの役割は終えたと考えている」としている。

記事引用元:京都新聞

減少し続ける教習生と自動車教習所

一般社団法人 全日本指定自動車教習所協会連合会(全指連)によると、2020年12月末現在、全指連会員の教習所数は1,250所で前年末より8所減少(開校1所、閉校9所)し、ピーク時であった1991年(1,477所)と比べ、227所(約15.4%)の減となっているとのこと。
また、2020年中の会員教習所卒業生は156万6,126人で、前年と比べ6万2,927人の増加となり、四輪・二輪の卒業生がともに増加に転じたのは7年ぶりとなったものの、ピーク時であった1990年(261万2,961人)と比べると約104万6,800人(約40%)の減少となっています。

岩倉自動車教習所Webサイト

岩倉自動車教習所Webサイト

ニュースで紹介されていた岩倉自動車教習所は、60年の歴史がある自動車教習所だったということで、この教習生数のピークとその後の減少についても肌身で感じておられたのでしょうね。
合宿免許やドローンの室内練習場などの新しい収入源の確保を模索していても、この流れに歯止めはかけられないという判断だったのだと思います。
黒字の状態で閉所を決めるというのも、なかなか勇気のいる決断だったんだろうなと思います。

減り続ける若者の免許保有

ソニー損害保険株式会社が2022年1月5日に発表した「2022年新成人のカーライフ意識調査」の結果では、2022年の新成人の運転免許保有率は57.2%で、マイカー所有率は16.0%であることが明らかとなりました。

普通自動車免許を持っている新成人の割合
普通自動車免許を持っている新成人の割合(前年度との比較)
普通自動車免許を持っている新成人の割合(画像:ソニー損保)

普通自動車免許の取得率は前年に比べて上がっているものの、全体として見れば6割以下の取得率となっています。
10年前や20年前には7~8割の人が運転免許を取得していたことを考えると、少子高齢化が進む以上のスピードで教習生が減っていることが分かりますね。

意外だったのは、地方に住んでいる若者も運転免許取得率が6割に満たない点。
進学や就職で都市部に引っ越すために車は要らないと考えている人が多いのか、教習所へ通う費用が捻出できなかったり、もったいないと考えている人が多いのかは分かりませんが、これは本当に意外な結果だったなと思います。

最近では、普通自動車免許の教習費用も30万円を超えることが当たり前になっていて、僕が免許を取得した16年前と比べて10万円の差があります。
免許を取得したくても、経済的な理由でできない人もいるんじゃないかと思うと、これからの自動車業界の未来も心配になってきますね。