ドラブロ ーバス運転士の徒然日記ー

バス運転士が日常の気になったコトやモノについて書き綴っています

自賠責保険値上げについて多くのユーザーが納得いかないようです

6月10日(金)に、自動車ユーザーが加入を義務付けられている自賠責保険値上げのニュースがありました。
しかし、今回は事故の件数が増えたことによる値上げではないようで、たくさんのユーザーから怒りの声が上がっています。

news.yahoo.co.jp

6月9日、自動車ユーザーが支払う自賠責自動車損害賠償責任保険)の仕組みを変更する改正法が、衆院本会議で賛成多数により可決した。

自賠責加入者は現在、保険料の一部として年間16円が徴収されている。国はそれを財源に、ひき逃げや無保険車による事故被害者の保障に充てている。改正法では、使い道を拡大し、被害者への支援事業などの財源にも使われる。

改正法の成立を受け、政府は来年度、保険料を車1台当たり最大150円値上げする方針なのだが……ここで注目されるのが、自賠責の運用益およそ6000億円の未返済問題だ。

「自動車ユーザーが支払ってきた自賠責保険の積立金7500億円のうち、6000億円を財務省が借りたままなのです。 国交省は残り約1500億円を運用して被害者救済に充てていますが、運用益は年間30億円ほど。対して被害者救済の支出は年間150億円。積立金が少ないため運用益も少額にとどまり、仕方なく積立金を取り崩している状態です。

元本を取り崩しているうちに財源が枯渇に近づき、今回の法改正となったわけです」(社会部記者)

6000億円は、財務省が一般会計への補填として、1994年と1995年に借り入れた1兆1000億円の残債だ。2003年までに7000億円が戻されたが、その後、15年間1円も返していない。結果的に、利息とあわせて6000億円まで膨れ上がった。

財務省は2018年から返済を再開したものの、年間40~50億円程度。このペースで行けば、返金まで150年以上かかる計算です」(同)

自賠責保険の値上げ方針が報道されると、SNS上では怒りの声が巻き起こった。

《財源が枯渇した原因は国土交通省財務省へ貸し出した自賠責保険料の運用益が返済されてないから 不足したら全て国民負担 ふざけるな》

《値上げより、財務省に貸してるのを返してもらうべき。筋は通してもらわないと》

《借りたものは返す、これはうちの子供でも知ってます》

ガソリン価格が高騰しているうえ、自動車関連の出費では、ガソリン税に消費税が課される二重課税問題、ガソリン税の特例税率、ていねいに長く乗り続けるほど高くなる自動車税など、自動車ユーザーが疑問に思う出費は少なくない。

そのうえで、さらに6000億円が流用されたままとは……もうクルマには乗るなということか。

記事引用元:FLASH

自賠責保険自動車損害賠償責任保険)とは?

車やバイクに乗る人はよくご存知だと思いますが、自賠責保険は強制保険とも言われる保険です。
すべての自動車(バイク含む)は自賠責保険に加入することが法律によって義務付けられています。

自賠責保険ポータルサイト

自賠責保険ポータルサイト(画像:国土交通省

自賠責保険の特徴】

  1. 原動機付自転車を含むすべての自動車は、自動車損害賠償保障法に基づき、自賠責保険に入っていなければ運転することはできない(無保険運転は違法)
  2. 自動車の運行で他人を死傷させた場合の人身事故による損害についてのみ支払われる保険で、物損事故は対象外
  3. 被害者1名ごとに支払限度額が定められている
    1つの事故で複数の被害者がいる場合でも、被害者の支払限度額が減らされることはない
  4. 被害者は、加害者の加入している損害保険会社に直接保険金を請求することができる
  5. 当座の出費(治療費等)に充てるため被害者に対する仮渡金制かりわたしきん度がある
  6. 交通事故の発生時に被害者に重大な過失があった場合にのみ減額される

自賠責保険は、交通事故による被害者を救済するため、加害者が負うべき経済的な負担を補填することにより、基本的な対人賠償を確保することを目的としています。
なお、無保険車による事故やひき逃げ事故の被害者に対しては、政府保障事業によって救済が図られています。

今回の値上げでユーザーが怒っているワケ

今回の記事にもあるように、自賠責保険の保険料の中には年額16円の積立金が徴収されています。
これは無保険車による事故やひき逃げ事故の被害者に対しての、政府保障事業によっての救済措置のための財源です。
今回の値上げでは、この積立金の部分を最大年額150円に引き上げるとのことで、ざっと10倍の値上げとなります。

これは、被害者救済のための積立金が枯渇しかけているためとのことですが、その枯渇しかけている理由が、積立金7,500億円のうち6,000億円を財務省が借りたままというとんでもないもの。
なぜこんなことが起こったのかというと、財務省が一般会計への補填として1994年と1995年に借り入れた1兆1,000億円の残債ということなのです。
2003年までに7,000億円が戻されたようですが、その後15年間1円も返していないうちに利息が膨れ上がって6,000億円になったという流れですね。

財務省は2018年から返済を再開したものの、その額は年間40~50億円程度ということなので、ほとんど利息分くらいしか返済できていないんじゃないの?と言いたくなります。
そんな勝手な理由で今回の値上げということなので、そりゃあ自動車ユーザーは怒りますよね。
僕だって、このニュースを読んだ時は「ハァ~!?」って感じでした。

財務省は自分たちが使う時には躊躇なく使って、他の省庁への割り振りには渋い顔をするという自己中心的な組織だということが、今回のニュースでよりはっきり分かりましたね。
車にはこれからも乗り続けますが、他のユーザーと同じく、怒りをはらんだまま次の自賠責保険の支払いを迎えそうです。