ドラブロ ーバス運転士の徒然日記ー

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夜勤を含む交代勤務が及ぼす健康への影響

病院や介護施設をはじめ、コンビニやガソリンスタンドなど、昼夜問わず仕事が発生する勤務先では誰かが夜勤に入らなくてはなりません。
JAMA Network Open誌のWebサイトで、2022年5月4日に不規則な勤務体系が健康に影響しないのかを調べた研究論文が掲載されてました。

jamanetwork.com

交代制勤務はどれくらい健康に影響するか

夜勤と昼勤、早出、遅出などを不規則に繰り返す交代制勤務は、医学的には健康面での悪影響が指摘されています。
夜勤を含む交代制勤務は、正常なホルモンなどによる日内リズムを乱し、睡眠障害や他の精神疾患、認知機能低下、慢性内臓疾患などのリスクを高め、生命予後にも悪影響を与えることがこれまでの疫学研究などにより報告されています。
WHOの専門部会は、発癌のリスクにもなり得るという報告もしています。

交代制勤務のイメージ

交代制勤務のイメージ

ただ、そうしたデータの多くは比較的短期間のもので、長期の夜勤を含む交代勤務がその後の健康にどのような影響を与えるのかについては、データは限られているそうです。

今回の研究は、こうした交代勤務の職種の代表格でもある看護師さんの大規模疫学データを活用し、夜勤を含む交代勤務の長期の影響を検証しています。

対象は46,318名の女性看護師を対象に24年という長期の健康観察を行い、70歳の時点で明確な記憶障害や身体障害が無く、多くの慢性病にも罹患していない状態を健康な加齢と定義して、その割合を比較検証しています。

その結果、夜勤を含む交代勤務をしていない看護師と比較して、10年以上そうした勤務をしていると健康な加齢の比率が21%低下していました。
それより短い勤務でもそうした傾向は認められましたが、統計的には有意なデータではなかったとのことです。

ここで認知機能低下も健康な加齢の除外要素として検討すると、10年以上の夜勤を含む交代勤務は、健康な加齢の比率を27%低下させていました。

交代勤務は健康長寿には悪影響

今回の研究結果では、夜勤を含む交代勤務は短期的な影響ばかりでなく、健康長寿の阻害要因ともなっている可能性があることが分かりました。
数年前にコンビニエンスストアの24時間営業の是非が取り上げられましたが、今後もこうした勤務をどのように考え、その健康への悪影響をどのようにして修正するべきなのか、より深い議論が必要になりそうですね。

僕の仕事も夜勤を含めた交代制勤務なので、今回の研究結果は特に興味深かったです。
先輩方に聞いていると、バスの運転手は定年後比較的早く亡くなる方が多いそうです。
おそらく、不規則な生活リズムを含めた、様々な要因があるのでしょうね。