ドラブロ ーバス運転士の徒然日記ー

バス運転士が日常の気になったコトやモノについて書き綴っています

夜行バス車内での迷惑行為で男が逮捕されました

夜行バスの車内で喫煙し、備え付けのカーテンを燃やしたということで47歳の男性が滋賀県警に逮捕されました。

www.yomiuri.co.jp

夜行バスのカーテンを燃やしたとして、滋賀県警彦根署は17日、香川県観音寺市、無職の男(47)を器物損壊の疑いで緊急逮捕した。約10人が乗っていたが、けが人はなかった。

同署などの発表では、男は名古屋発ユニバーサル・スタジオ・ジャパン大阪市)行きのバスに乗車。17日未明、多賀町名神高速多賀サービスエリア駐車場で、乗務員の仮眠休憩のためバスが停車中、車内のカーテンなどを燃やした疑い。

「たばこを吸いたいので降りたい」と言った男に対し、運転手が乗客は降車できないルールだと告げたが従わず、車内で喫煙し、カーテンなどに火を付けたため運転手が110番した。カーテンは耐熱性素材で自然鎮火したという。

記事引用元:読売新聞

身勝手な理由で他の乗客を危険に巻き込む

記事によると、容疑者の男は名神高速道路の多賀SAで「たばこを吸いたいので降りたい」という申し出をして、運転士に断られたため、バス車内で喫煙しカーテンに火を付けたようです。

名古屋発USJ行きの夜行バスを運行しているJR東海バスのWebサイト
名古屋発USJ行きの夜行バスを運行している西日本JRバスのWebサイト
名古屋発USJ行きの夜行バスを運行しているJR東海バス西日本JRバスのWebサイト

容疑者が乗っていた名古屋発USJ行きの夜行バスは、運行距離が短いため運転士1名での乗務となっていました。
そのため、途中の名神高速道路・多賀SAで運転士の仮眠休憩があったというわけですね。

名古屋発USJ行きの夜行バスを運行しているWILLERのWebサイト

名古屋発USJ行きの夜行バスを運行しているWILLERのWebサイト

僕がたまに乗務する、高知発大阪行きの夜行バスでも途中で2時間ほどの仮眠休憩がありますが、その際にも基本的にお客様は外に出ることはできません。
扉も締め切りとなっており、運転士に連絡したい場合は前方に設置しているインターホンで、トランク内の仮眠室で休憩している運転士に連絡します。
今回の容疑者もそのようにして運転士に連絡したものの、断られたために車内で喫煙してしまったということなのでしょう。

あまりにも身勝手な行動に、怒りを通り越して呆れてしまいますね…

バス車内やバス停は禁煙

路線バス(一般路線バスや高速路線バス)の車内は以前から法令によって禁煙とされていましたが、2020年4月1日(水)からは健康増進法の一部改正により、バス停留所やターミナルでも原則として禁煙となりました。
喫煙者の方々にとってみれば、喫煙場所は少なくなるし、タバコは値上がりするしで踏んだり蹴ったりでしょうね…
夜行バスに限らずとも、パーキングエリアでの休憩は貴重なタバコ休憩といえます。

しかし、中にはルールを守らずに喫煙する方がいらっしゃることも事実です。
今回の事件の容疑者もそうですが、バス車内のトイレで隠れて喫煙される方もたまにいらっしゃいます。
車内のトイレで喫煙されてしまうと、空調機器を通って車内全体にタバコの匂いが充満してしまいます。
他のお客様にとっては、とても迷惑な行為なので絶対に止めていただきたいです。

今回、夜行バスに備え付けられていたカーテンは耐熱性の素材で火は自然鎮火したそうですが、一歩間違えれば多数の乗客の命に関わる事態になるところでしたね。
エンジンなどの車両火災とは違い、車内から火が出て煙に包まれてしまえば大惨事になるのは容易に想像できます。
今回は早めに気付いて対処できたおかげもあって、不幸中の幸いな出来事だったと思います。
今後、二度と同じような事件が起こらないことを祈るばかりです。