自宅から4キロ離れた場所でバスを降車した下校中の児童が話題になっています
長野県小海町の町営バスで、下校中の小学1年生の男の子が、自宅から4kmほど離れたいつもとは違う停留所でバスを降り、歩いて帰ろうとしたことが地元で問題となっているそうです。
長野県小海町の町営バスで、下校中の小学1年生の男の子が、自宅から4キロほど離れたいつもとは違う停留所でバスを降り、歩いて帰ろうとしたことが地元で問題となっています。
問題になってるのは小海町が運営する町営バスで、朝と夕方の時間帯は小海小学校前の停留所を経由し、児童は無料で利用できます。
問題があったのは、16日の夕方。
小海小学校に通う小学1年生の男の子が、本来降りるはずの停留所ではなく、自宅から4キロほど離れた停留所でバスを降り、歩いて帰ろうとしたのです。
バスを運営する町の担当課長は当時の様子をこう説明します。
(小海町・バスの運営担当・井出知之町民課長)
「降車ボタンが押されたということで、運転手はバス停で停まった、なかなか(誰も)降りてこないので声をかけたところ一人の子ども(1年生の男の子)が降りるという状況」
この時、運転手はここで降りて大丈夫かどうか、確認をしませんでした。
(記者レポート)
「男の子はこちらの停留所でバスを降りた後、歩道のないこの道路を歩いていったということです」 多くの車が行き交う国道141号。
路側帯すれすれに車が走り、歩くには危険な道路です。
男の子は歩道のない道路を400メートルほど進んだ所で歩道のある反対側へと渡り、停留所から1キロ以上歩いたところで母親に保護されました。
幸い男の子にけがはありませんでしたが、大きな事故にもつながりかねない状況でした。
(井出課長)
「大変な心配をかけた親御さんたちには申し訳ない気持ちでいっぱい、その場所が本当に降りる所なのかというところで運転手のほうで声をかけたり、運転手の行動としてできなかったかなというところ」
町営バスでは小学生が乗車している時に、降りる人がいない停留所で降車ボタンが押されることがたびたびあったということで、町は学校側とも連携して、再発防止に努めたいとしています。
記事引用元:SBC信越放送
自宅の最寄バス停とは違うバス停で押された降車ボタン
今回問題となっているのは、普段降りるバス停では無いところでバスの降車ボタンが押されて、小学1年生の児童が1人で降りて行ったということ。
バスの運転手さんは降車ボタンが押されたバス停に停車しましたが、誰も降りてこなかったため確認のために声をかけたということです。
すると、小学1年生の児童が降りていきましたが、その子が普段乗り降りするのは4キロ先のバス停だったというわけですね。
この男の子が降りたバス停の先にはかなり狭い路側帯しかなく、歩いて帰るにはかなり危ない状況だったようですが、400mほど歩いたところで歩道のある反対側へ渡ったことで、幸いにもケガなく保護されるに至りました。
今回の騒動では、運転手に対しての責任を問う保護者や小海町の担当者の声がピックアップされていますね。
しかし、本当に運転手だけが悪いのかは個人的に疑問です。
いたずらで押される降車ボタン
ニュースの最後には「町営バスでは小学生が乗車している時に、降りる人がいない停留所で降車ボタンが押されることがたびたびあった」ということが紹介されています。
状況的には、登下校時の小学生がおもしろ半分やいたずら目的で押していたのであろうことが分かります。
こういう時、運転手的にはいたずらだと分かっていたとしても、他のお客様が降りられるかもしれないので、一度停車して乗降確認を行います。
今回の運転手さんも実際に行われていましたね。
僕が子どもの頃なんかは「コラーッ!イタズラで押すなボケェ!!次押したら全員そこで降ろすぞ!!!」っていう感じの恐~い運転手さんが結構いましたが、今はもう絶滅危惧種になりました(笑)
今回のような事象の際、小海町の担当課長さんや保護者のように運転手に全ての責任を問うような時代の流れを僕はとても危惧しています。
こういうことが常態化すると「イタズラで降車ボタンを押しても運転手さんがちゃんと最寄りのバス停で降ろしてくれる」ということが当たり前になり、少しでも違うことをするとすぐにクレームが入るという悪循環に陥ります。
バス運転手への過度な負担がかかり、この職業への魅力が無くなっていってしまいますよね…
最近では家族で移動する際は自家用車、普段の通学も自転車というように、バスなどの公共交通機関を使う機会の無い子どもも増えていて、ちゃんとした乗り方を知らない子どもが増えているように思います。
今回の騒動の舞台になった小海町のような車社会の町だけでなく、大阪や神戸などの都市部でもそうです。
そのために、イタズラで降車ボタンを押したらどうなるか、間違えて押してしまった際の対処方法などを知らないままで育ってしまうんですね。
子育て中の親御さんには、社会勉強の一環として幼い頃から公共交通機関の乗り方を教える意味でも、バスや電車を意識的に利用していただければと思います。