ドラブロ ーバス運転士の徒然日記ー

バス運転士が日常の気になったコトやモノについて書き綴っています

認知症予防に効果的な行動が実証されました

太陽生命保険は6月9日、「歩く」「頭を使う」「コミュニケーションをとる」ことが、認知症リスクの低下につながる可能性があることを発表しました。
子会社の太陽生命少子高齢社会研究所とMCBIの共同研究によって明らかになりました。

news.mynavi.jp

認知症予防に効果的な行動が実証された結果に

2021年1月からスタートして2024年度までの予定で実施されているこの共同研究の中で、太陽生命保険従業員の「MCIスクリーニング検査プラス」の結果を同時期の他の受検者と比較したところ、70~80代において太陽生命従業員の免疫力が高く、認知症発症リスクが低いという傾向が明らかになりました。

太陽生命スタッフと一般の方のMCIスクリーニング検査結果の比較

太陽生命スタッフと一般の方のMCIスクリーニング検査結果の比較(画像:太陽生命

70~80代の従業員はすべて営業職員だったそうで、提案活動やアフターフォロー等の営業活動により、認知症予防に効果的とされている「歩く」「頭を使う」「コミュニケーションをとる」ことを長年にわたって日常的に行っていることが今回の調査結果の一因であることが示唆されるとのことです。

適度な運動と人とのコミュニケーションが、脳の活性化を促して認知症予防に繋がるということですね。

MCIスクリーニング検査プラスとは?

今回の調査でデータの根拠となった「MCIスクリーニング検査プラス」とは、どのような調査なのでしょうか?

そもそも、MCIとは軽度認知障害のことで認知症になる前の状態のこと。
この状態であれば、生活習慣の見直しなど適切な介入を行うことで、認知症の発症を予防もしくは遅らせることができると分かってきています。

アルツハイマー病発症までの経緯

アルツハイマー病発症までの経緯(画像:太陽生命

認知症の6~8割を占めるアルツハイマー病は、その原因となるアミロイドベータタンパク質(Aβ)が脳内に少しずつ蓄積することにより発症します。
MCIスクリーニング検査プラスでは、Aβ を脳内から排出したり、毒性を抑制したり、炎症を和らげるなど、神経細胞へ与えるダメージを抑制する9種類のタンパク質の量を血液で調べることにより、MCI のリスクを判定する検査のことです。
ただし、この検査はMCIのリスクを統計学的に示すもので、リスクを早期に発見するためのスクリーニング検査であるため、この判定結果で診断が確定するものではないので注意が必要です。

判定結果はリスクに応じてA~Dの4段階で表されます。

MCIスクリーニング検査の判定結果

MCIスクリーニング検査の判定結果(画像:太陽生命

専門家も「健康な人生を送るためのヒントとなる重要な知見」とコメント

今回の結果を受けて、筑波大学医学医療系精神医学教授・新井 哲明あらい てつあき氏は
「今回の研究成果は、健康な人生を送るためのヒントとなる重要な知見といえます。
予防の効果は自覚しづらいものですが、簡単な血液検査で予防効果の見える化ができ、健康経営のための従業員の健康モチベーションにもなります。

認知症やその前駆段階のMCIは物忘れなどの頭の病気と思われがちですが、最近の研究によって、体全体の病気ととらえられるようになっています。
糖尿病や高血圧等の循環器病は認知症の明らかなリスク因子ということがわかっており、これらの病気の予防は認知症の予防にもつながることから、海外では『血管にいいことは脳にもいい』といわれています。
また認知症の予防には栄養が大切ですが、これも生活習慣病予防と同じです。
高齢者の方々には、これらに加えて社会参加が大切です。

働くということは社会参加の一つですが、趣味や、友人・家族との付き合いで、現役時代と変わらないアクティビティを維持することが人生100年時代を健康に生きる秘訣といえるでしょう。」
とコメントしています。

今回のコメントの中で「予防の効果は自覚しづらいもの」という一節がとても印象に残りました。
予防に努めていて見えるものは健康な体ですが、それってなかなか自覚しづらいですよね。
ケガをしたり、病気になったりした時に初めて健康のありがたみを感じるものですが、この一節はそれを的確に表していると思います。
まずは、いつもよりちょっと長めに歩くとか、始めやすいことから取り組んでいきたいですね。