環境に優しいとされている「バイオ燃料」が名古屋のガソリンスタンドで一般向けに販売されます
中川物産株式会社と株式会社ユーグレナは、中川物産グループである中日リース株式会社の「名港潮見給油所」で、一般の方も給油できる次世代バイオディーゼル燃料「サステオ」の販売を2022年6月10日(金)から開始すると発表しました。
サービスステーション(ガソリンスタンド)における「サステオ」販売は2021年4月にも期間限定で実施しましたが、継続販売するのは今回が初めての取り組みとなります。
バイオ燃料「サステオ」とは?
ユーグレナ社が製造・販売するバイオ燃料「サステオ」は、使用済み食用油や微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)由来の油脂などを原料としており、食料との競合や森林破壊といった問題を起こさない持続可能性に優れた燃料です。
また「サステオ」は燃料の燃焼段階ではCO2を排出しますが、原料となるユーグレナも使用済みの食用油の原材料である植物も成長過程で光合成によってCO2を吸収するため、燃料を使用した際のCO2の排出量が実質的にはプラスマイナスゼロとなるカーボンニュートラルの実現に貢献すると期待されています。
次世代バイオディーゼル燃料「サステオ」は、化石燃料由来の軽油と同等の性質を持つ炭化水素燃料であり、現行車両にそのまま利用可能です。
「サステオ」の一般向け販売について
ユーグレナと排食用油から作られる「サステオ」は、2020年からバスや配送車、消防車などの車両、タグボートやフェリーなどの船舶、商業用ジェット機や双発機などの飛行機といった具合に陸海空の交通機関で徐々に導入され、2021年4月には東京都内のガソリンスタンドで3日間だけ一般販売されました。
今回は、名古屋市港区の名港潮見給油所にて、ガソリンスタンドにおける初めての継続販売が行われます。
詳細は下記の通り。
「サステオ」を販売・給油するサービスステーションについて
【店名】 名港潮見給油所
【日程】 2022年6月10日(金)より販売
(営業日:月曜~金曜8:30~19:00 休業日:日曜)
【場所】 愛知県名古屋市港区潮見町37-24
販売油種は軽油で「サステオ」の20%混合品が提供されるとのこと。
既存の燃料と同じ品質が確保されており、ディーゼル車にそのまま使えます。
ちなみに、ユーグレナ社によると販売価格は1Lあたり300円前後で調整中とのこと。
かつて、ユーグレナ社はサステオの価格について「供給・流通体制の構築段階にあるため1Lあたり1万円ほど、10%混合品であれば1,000円ほど」としていましたが、今回は海外の協力会社が製造した燃料も供給するなど、価格に関する環境は変わってきているといいます。
確かに、かつての価格であれば1Lあたり2,000円になっていてもおかしくはないですが、今回は300円前後で調整しているということですから、かなりお手頃な価格に落ち着いてきましたね。
現行のディーゼルエンジン車にそのまま使えるということなので、環境意識の高い人は進んで利用されるかもしれません。
ただ、現在は名古屋市内の1店舗のみの販売となっているため、どれだけの量が売れるのかは未知数というところ。
販売数量が伸びてくれば、首都圏や関西圏にも販売箇所を増やしてくれるかもしれませんね。
個人的には、わざわざ名古屋までバイオディーゼル燃料を入れに行くよりも、関西圏への進出を待ちたいと思います。