ドラブロ ーバス運転士の徒然日記ー

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大阪メトロ中央線延伸部の新駅「夢洲駅(仮称)」のデザインが決定しました

大阪市が出資する第三セクター「株式会社 大阪港トランスポートシステムOTS)」は、2025年に開催予定の大阪・関西万博の玄関口となる、大阪メトロ中央線延伸部の新駅「夢洲ゆめしま駅(仮称)」の基本デザインが決まったと発表しました。

デザインコンセプトは「移世界劇場」

今回の夢洲駅のデザインは、受け継がれてきた日本の伝統文化の要素を取り入れながら、新たな技術・デザインを融合させ、これからの日本文化を展開する「移世界劇場」をつくることを目指して策定されました。

デザインコンセプトを実現する空間演出の手法
デザインコンセプトを実現する空間演出の手法
デザインコンセプトを実現する空間演出の手法
(画像:株式会社大阪港トランスポートシステム

具体的な空間演出の手法としては、

  1. 世界に誇る日本の運行ダイヤ図を日本の伝統的な折り紙で表現する「折り紙天井」
  2. 多様な人々の動きを映し、体感することで多様性の美しさを伝える「鏡面・ゆらぎ」
  3. 門型にライン照明を配置し、夢洲の玄関口としてワクワク感を演出する「灯り」
  4. 100年続く駅をめざし、耐久性やメンテナンス、リサイクル性に優れた素材を採用する「素材を活かす」
  5. 万博前、万博開催中、万博後の3つのフェーズに柔軟に対応する「運営・演出」

という5つを挙げています。

日本文化や技術をアピールする空間デザイン

新駅に使われる折り紙天井は、メンテナンスが容易でリサイクルが可能なアルミパネルが使用されます。
このアルミパネルは東大阪の金属加工技術など大阪の技術を結集して作られ、訪日客に日本の鉄道の緻密な運行ダイヤや、金属加工技術の高さなどをアピールします。

夢洲駅(仮称)のホーム階デザイン

夢洲駅(仮称)のホーム階デザイン(画像:株式会社大阪港トランスポートシステム

新駅のホーム階では、両端の軌道部を黒く塗装し、中央部の折り紙天井を明るく照らすことでホームを浮かび上がらせるデザインにします。
ホーム中央の門型に照明を配置することで、光のゲートをくぐってエスカレーターや階段へと進む移動体験を演出。
明暗の差で創り出す落ち着きのある空間デザインにより、移世界劇場のはじまりを演出します。

夢洲駅(仮称)のコンコース階デザイン

夢洲駅(仮称)のコンコース階デザイン(画像:株式会社大阪港トランスポートシステム

コンコース階では、全長160mのコンコースを2種類の形状の折り紙天井を組み合わせて構成します。
片側の壁面に60m×3mの大型サイネージを設置し、夢洲の3つのフェーズに対応したコンテンツを展開。
床は滑りにくい磁器質タイルを用いて、天井に映り込む中央部を白く、壁に向かうにつれて濃い色となるグラデーションを表現します。
それにより、日本の風景や四季にも通じる濃淡表現で空間に広がりを創出し、折り紙天井を際立たせる効果を狙っています。

夢洲駅(仮称)の改札前広場デザイン

夢洲駅(仮称)の改札前広場デザイン(画像:株式会社大阪港トランスポートシステム

改札前広場では、折り紙天井を半円状につなぎ、おおらかな空間の広がりと、夢洲への到着・出発ゲートとして人々を送り出し、迎え入れるイメージをデザインします。
また、改札上部には状況に応じたサインを表示し、遠くからも視認できる可変サインを組み込んだゲートを設置することで、通常は路線情報などを表示しながらも、イベント開催時はそのイベント情報表示に切り替えるなど、柔軟な運用を可能にします。

演出デザインは今後も引き続き検討

新駅のコンセプトである「移世界劇場」を核として、「夢洲とともに歩む柔軟なデザインと、運営に呼応する仕掛けづくり」 をテーマに多彩な演出を行います。
開業後の3つのフェーズごとの、現段階での演出デザインは以下の通りです。

演出デザインの3つのフェーズ

演出デザインの3つのフェーズ(画像:株式会社大阪港トランスポートシステム
  1. フェーズ1:万博前
    万博関連コンテンツ、カウントダウン映像などで万博への期待を高めると同時に、駅のデザインや建設過程を紹介する動画などのサイネージ演出により、夢洲駅への関心を高めていく。
  2. フェーズ2:万博開催中
    スムーズに来場客を万博へと誘導しながら、サイネージや照明、音響による演出で万博を盛り上げる。
    万博会場でのイベントなどとリンクした映像演出のほか、日本の四季や、大阪の文化・歴史などをテーマとしたデジタルアート、バーチャル夢洲駅と組み合わせたインタラクティブなコンテンツなどの展開を検討する。
  3. フェーズ3:万博後
    夢洲のまちづくりと連動し、「まちのギャラリー」としてサイネージの活用を検討。

演出デザインは各フェーズの目的に合わせ、万博やその後に向けて(IRとの連携も含め)引き続き具体的な検討が行われていく予定です。
CGによるイメージとはいえ、かなり具体的な駅のイメージができてきましたね。
これから本格的な工事が始まっていくのだと思いますが、2025年の大阪・関西万博の開催に向けて、どんどん活気付いてくるのは嬉しいです。
万博が開催されれば、少なくとも1回以上は行くと思うので、その時にはぜひ夢洲新駅を利用したいと思います。