ドラブロ ーバス運転士の徒然日記ー

バス運転士が日常の気になったコトやモノについて書き綴っています

電通が人間の消費行動を駆り立てる感情を「11の欲望」に分類しました

株式会社電通のプロジェクトチーム「DENTSU DESIRE DESIGNデンツウ デザイア デザイン」は、2021年から計3回にわたって実施した「心が動く消費調査」を基に、人間の消費行動に強く影響を及ぼすドライバーとなる感情を分析し、「11の欲望(Desire)」として可視化しました。

www.dentsu.co.jp

マーケティング活動を高度化させるための指標

近年、ECサイト上の商品ページの閲覧履歴や購買履歴、商品に対するSNS上での反応など、インターネット上での消費行動に関するデータ取得が容易になり、企業活動におけるデータマーケティングの重要性が増しています。
しかしその一方で、行動データとして顕在化した消費者のニーズに企業側が対応するだけでは、消費行動の背景にある心理を踏まえたマーケティング施策の実行は容易ではないということも明らかになっています。
また、コロナ禍や物価上昇など、社会環境の変化は消費者の心理に大きな影響を与えていて、企業におけるマーケティング活動をより困難なものとしています。

こうした状況を踏まえ、DENTSU DESIRE DESIGNデンツウ デザイア デザインでは消費者のデマンド(買いたい商品)、ウォンツ(欲しいもの)、ニーズ(「ウォンツ」の背景にある、したいこと)のさらに奥に潜む"ほしい/したい"という感情、すなわち消費者の「欲望」に訴えるマーケティング施策こそ消費者の購買意欲を刺激できると考え、「心が動く消費調査」から得られたデータを基に、人間の消費行動を駆り立てる感情を「11の欲望(Desire)」として可視化しました。

人間の消費行動を駆り立てる「11の欲望(Desire)」

人間の消費行動を駆り立てる「11の欲望(Desire)」(画像:電通

この11の欲望を見てみると、よく分析されているな~と思いますね。
誰でもどれか1つや2つ、人によっては半分近くの項目が当てはまるのではないでしょうか?
僕も色々と考えてみると、5つくらいの項目で当てはまるものがありました。

欲望から消費につながる行動を可視化

今回の分析では、43種類の普遍的な「根源的欲求」に関する質問から欲求因子を抽出し、45種類の「現代の価値観」に関する質問から欲求因子と関係性の強い価値観を判定したとのことです。
また、消費トレンドや社会情勢の考察を行い、時代性を捉えた「11の欲望(Desire)」として可視化しました。
DENTSU DESIRE DESIGNデンツウ デザイア デザインでは、この考え方を「欲望(Desire)行動モデル」と呼んでいます。

欲望(Desire)行動モデル

欲望(Desire)行動モデル(画像:電通

消費者を分類しての分析も実施

また、「11の欲望(Desire)」では、それぞれの特徴をイメージしやすいように、考察や実際の消費事例も踏まえて消費の背景にある複雑な欲望を定義して可視化し、「欲望」の視点で消費者を分類したクラスター分析も行われました。
これらを用いることで、より深い顧客理解に基づいたソリューション(解決策)の立案を可能にできるとのことです。

「11の欲望(Desire)」をベースとしたクラスター分析の例

「11の欲望(Desire)」をベースとしたクラスター分析の例(画像:電通

電通では今後も、人々の消費行動を駆り立てる感情である「欲望」視点を組み入れた消費者理解を追求し、より深いカスタマージャーニー(顧客の製品・サービスの購入に至るまでの過程)設計、PDCAの仕組みづくりなどの支援を通じて、企業のマーケティング活動の高度化や効率化に貢献していくとしています。

広告代理店最大手ということもあって、電通には様々なデータが集まってきているのでしょう。
それらのデータをこのように分析することで、より消費者に消費行動を起こさせるような施策が取られていきますね。
僕自身はあまり物欲がある方ではありませんが、こういったマーケティングの裏側を見てみるのも面白いですね。