欧米などで新たな感染症の報告が上がっています
イギリスやアメリカで、新たな感染症「サル痘」の患者が相次いで報告され、SNSでも多くの関心を集めています。
WHO(世界保健機関)は5月21日(土)時点で、12ヶ国から92人の患者が報告されたことを明らかにしました。
ヨーロッパや北米では「サル痘」の患者の確認が相次いでいます。WHO=世界保健機関は各国の保健当局に対し、患者を早期に発見したり、患者に接触した人を迅速に追跡したりする態勢を強化するよう呼びかけています。
【イギリス】
イギリスの保健当局は、今月18日までに「サル痘」の患者が合わせて9人確認されたと発表しました。 最初に確認された患者は西アフリカのナイジェリアへの旅行から帰ってきた人で、家族2人にも感染したとみられるということです。一方、残る6人の患者の感染経路は明らかになっておらず、現在調査が行われています。
【アメリカ】
アメリカのCDC=疾病対策センターは18日、東部マサチューセッツ州で「サル痘」の患者が確認されたと発表しました。 患者は最近カナダへ旅行したことがあるということですが、どこで感染したかは調査中としています。
【カナダ】
カナダの保健当局は19日、国内で初めて2人の患者が確認されたと明らかにしました。
【フランス】
また、フランスでも19日、29歳の男性の感染が確認され、自宅で隔離されているということです。
この他、AP通信などによりますと、
▼ポルトガルで14人、
▼スペインで7人、
▼イタリアとスウェーデン、ベルギーでそれぞれ1人の感染が確認されているということです。
またオーストラリアでも患者ひとりが確認されたことがわかりました。
国立感染症研究所によりますと、「サル痘」は1958年にポリオワクチン製造のために世界各国から霊長類が集められた施設にいたカニクイザルで最初に発見されたため、「サル痘」という名前が付けられました。
WHOによりますと、ヒトでの「サル痘」の潜伏期間はおおむね6日から13日で、その後、顔や体に特徴的な発疹が出るほか、発熱やのどの痛み、リンパ節が腫れるなどの症状が出るということです。
過去にアフリカで感染が起きた際には、致死率は数%から10%程度に上ったと報告されています。
“サル痘ウイルス”は、ネズミやリスなど感染した動物にかまれたり、血液や体液、発疹に触れたりすることで感染することがあるほか、感染した人の発疹や体液に触れたり、飛まつを浴びたりすることで、ヒトからヒトに感染する可能性があるということです。
ただ、WHOは、ヒトからヒトへの感染は密接な接触によるもので、比較的限られているとしています。
日本では「サル痘」の感染が報告された例はこれまでありません。
1958年、「サル痘」が初めて報告された当時はヒトの感染例は報告されていませんでした。
しかし1970年に今のコンゴ民主共和国で、ヒトへの感染が初めて確認されました。その後、中央アフリカや西アフリカの熱帯雨林地域で散発的に感染が広がっているとしています。
また2003年にはアフリカからペットとして輸入された小動物を通じてアメリカにウイルスが持ち込まれたあと、合わせて71人が感染しましたが、亡くなった人はいなかったということです。
アメリカのCDCによりますと、この時はアフリカからペットを通じて持ち込まれた“サル痘ウイルス”がプレーリードックに感染しました。感染した人はプレーリードックと接触があったとしています。
国立感染症研究所によりますと、“サル痘ウイルス”には大きくコンゴ型と西アフリカ型があり、コンゴ型は病原性が高いということです。
また2003年のアメリカでのケースは、西アフリカ型の“サル痘ウイルス”によることが明らかになっているということです。
「サル痘」には特異的な治療法はなく対症療法で対応されていますが、1980年に根絶された天然痘に対するワクチンが、「サル痘」にも高い予防効果があるとされています。
記事引用元:NHK
「サル痘」とは?
記事にもある通り、「サル痘」は1958年にポリオワクチン製造のために世界各国から霊長類が集められた施設にいたカニクイザルで最初に発見された病気です。
WHOによると、ヒトでの「サル痘」の潜伏期間はおおむね6日から13日で、その後、顔や体に特徴的な発疹が出るほか、発熱やのどの痛み、リンパ節が腫れるなどの症状が出るということです。
過去にアフリカで感染が起きた際には、致死率は数%から10%程度に上ったと報告されています。
なかなか高い数値ですね…
“サル痘ウイルス”は、ネズミやリスなど感染した動物にかまれたり、血液や体液、発疹に触れたりすることで感染することがあるほか、感染した人の発疹や体液に触れたり、飛沫を浴びたりすることで、ヒトからヒトに感染する可能性があるということです。
ただ、WHOによるとヒトからヒトへの感染は密接な接触によるもので、比較的限られているとしています。
日本では「サル痘」の感染が報告された例はこれまでのところは無いとのことですが、今後、海外からの訪日外国人受け入れ拡大によって、国内での感染例が出てくるのではないかと不安になりますね…
欧米などで感染が広がっている「サル痘」
ヨーロッパや北米では「サル痘」の患者の確認が相次いでいます。WHO(世界保健機関)は各国の保健当局に対し、患者を早期に発見したり、患者に接触した人を迅速に追跡したりするなどの態勢を強化するよう呼びかけています。
イギリスの保健当局は5月23日(月)、新たに37人のサル痘の患者が確認されたと明らかにしました。イギリスで確認された患者はこれで合わせて57人となります。
またECDC(ヨーロッパ疾病予防管理センター)によると、EU域内では5月23日(月)までにスペインやポルトガル、それにドイツやスウェーデンなど合わせて9ヶ国で67人の患者が確認されたということです。
ほとんどの場合症状は軽いとのことですが、各国とも患者の増加に警戒を強めていて、イギリスの保健当局は患者と同居する人などについて感染した可能性があるとして、21日間の自主隔離をするように求めています。
一方、ECDC(ヨーロッパ疾病予防管理センター)も患者と濃厚接触した人について症状が出ないか21日間経過観察すべきだという見解を示していて、引き続き状況を注視していくとしています。
また、アメリカのCDC(疾病対策センター)でも、5月18日(水)に東部マサチューセッツ州で「サル痘」の患者が確認されたと発表しました。
患者は最近カナダへ旅行したことがあるということですが、どこで感染したかは調査中だとされています。
「サル痘」について注意すべき点
サル痘ウイルスには2種類あって、大きく分けて強毒型の「コンゴ型」と、それほど強毒でない「西アフリカ型」があります。
アフリカでは今も流行が続いて、毎年患者さんが出ているという状況だそうです。
この記事で紹介されているイギリスやアメリカに輸入症例として出ているケースでは、ナイジェリアで今流行してる西アフリカ型の比較的病原性が低い方のサル痘ウイルスであることが分かっています。
強毒型は主にコンゴ民主共和国を中心に分布しているウイルスですが、最近ではヒトからヒトへも比較的容易に感染するようになってきていて、重症例では天然痘と区別のつかないような症状を出して死亡するケースもあるそうです。
しかし、岡山理科大学の森川茂教授によると、新型コロナウイルスのように呼吸器感染で広がるウイルスではなく、サル痘ウイルスは主に接触感染、一部飛沫感染はするものの、それほど感染力が強いわけではないので一気に世界中に広がるものではないと予想されています。
国内に入ってくるとすれば、流行国で感染した人が潜伏期間中に帰国したり、流行国の人が日本に訪問した時に発症するケースで出ることが想定されるとのことです。
もともとはリスが持っているウイルスで、輸入動物として感染した動物が入ってきた事例が20年ほど前のアメリカであったので、そういうリスクがゼロというわけではないようですね。
しかし、特にヨーロッパで過去に無い勢いで感染者が増えているのを見ると、本当に大丈夫かどうか不安になるのも事実。
後藤厚生労働大臣は、今日午前の閣議の後「『サル痘』は、現在ヨーロッパなどで感染例が確認されているが、先進国では死亡例は報告されていない。わが国では、感染症法上は『4類感染症』として全数届け出の対象となっているが、日本国内での感染は確認されていない」と述べたうえで、感染予防に有効だとされている天然痘ワクチンの国内での確保状況について「テロ対策の観点から、国内において生産・備蓄を行っているが、具体的な確保量などについては危機管理上の理由から公表を差し控えている」と説明しました。
海外の感染状況によっては、再び水際対策の強化を望む声が上がるかもしれませんね。