ドラブロ ーバス運転士の徒然日記ー

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関西で次世代バス車両が続々と導入されています!

先月、大阪シティバスのプレスリリースで大阪府内初の燃料電池バスを導入するということが発表されました。

大阪シティバスの燃料電池バス

大阪府内で初めて導入される燃料電池バス
(画像 大阪シティバス株式会社)

citybus-osaka.co.jp

導入されたのはトヨタ自動車製の燃料電池バス「SORAソラ」。
1回の水素充塡で約200km走ることができ、走行時に水のみを排出し、年間43トンのCO2排出量の削減を見込んでいるそうです。
大阪府補助金三菱UFJフィナンシャル・グループMUFG)5社からの寄付を受け導入されたようで、今後はEVバスの導入も検討し、将来的には2025年大阪・関西万博の輸送での活用も視野に入れているとのこと。

他のバス会社における燃料電池バスの導入事例

燃料電池バスやEVバスは「ZEV(Zero Emission Vehcleゼロ エミッション ヴィークル)」と呼ばれ、走行時に排気ガスを一切出さない自動車として位置付けられています。
ちなみに、関西(というより西日本)で一番最初に燃料電池バスを導入したのは、兵庫県姫路市に本社を置く神姫しんきバスでした。
こちらも、国・兵庫県及び姫路市から支援を受け、2021年2月24日に導入が発表されています。

神姫バスの燃料電池バス

西日本で初めて導入された燃料電池バス
(画像 神姫バス株式会社)

また、少し関西からは離れますが、徳島県でも燃料電池バスが導入されています。
こちらは、徳島市に本社を置く徳島バスが、2021年12月1日から徳島駅と鳴門公園を結ぶ路線で定期運行を開始しました。
このケースでは、中四国地方で初めての燃料電池バスの運行となりました。

徳島バスの燃料電池バス

中四国地方で初めて導入された燃料電池バス
(画像 徳島バス株式会社)

EVバスも続々と登場しています

しかし、ZEVというのは燃料電池自動車だけではありません。
今話題の電気自動車(EV)も含まれています。
それでは、関西のバス会社でEVバスを導入した事例をご紹介しましょう。

まずは、京都市に本社を置くプリンセスライン株式会社。
2015年2月23日、日本で初めてとなるEVバス5台を中国のBYDから購入しました。

response.jp

中国の電池メーカー大手、BYD傘下の自動車メーカー、BYDオート(比亜迪汽車)は2月23日、日本市場に中国の自動車メーカーとして初めて進出した、と発表した。

2月23日、BYDは同社製のEVバス5台を、京都市に本拠を置く京都急行バスに納車。赤いバスは現地では、「プリンセスラインバス」として親しまれており、BYD製のEVバス5台も、赤いカラーをまとって納車された。

すでにBYD製のEVバスは、世界各地で運行されている。しかし、日本市場への進出は、今回が初めて。同社のEVバスは、1回の充電で、最大約250kmを走行できる性能を備える。

京都で行われた納車式典において、BYDのアジア太平洋地域ゼネラルマネージャー、Liu Xueliang氏は、「日本市場は、技術と品質に対する要求が厳しい。今回のBYDバスの納車は、BYDそして中国の技術と品質にとって、偉大な認識を意味する」とコメント。

さらに同氏は、「BYDのEVバスが京都市民に、より快適でエコな移動手段を提供できると信じている」と述べた。


記事引用元:レスポンス

この時、僕は前に勤めていたバス会社にいて、このニュースを見た時はびっくりでした。
当時はまだ中国製品を舐めていて「わざわざなんで中国製のバスなんか買っちゃったんだろう?」と思っていたものでした。

しかし、その後BYDのバスは順調に受注を続けていて、ついに2021年10月1日には大阪大学のキャンパス間輸送用に大阪府豊中市に本社を置く阪急バスが導入開始。
その後、2022年4月11日からは千里ニュータウン線の定期路線バスとして運行をスタートしました。

阪急バスの電気バス

中国・BYD社製のEVバス(画像 阪急バス株式会社)

また、京都市に本社を置く京阪バスにおいても、2021年12月22日から京都駅と京阪七条駅及び梅小路を結ぶ路線バス「ステーションループバス」の全車両(4台)を小型EVバスに置き換えました。

京阪バスの電気バス

中国・BYD社製の小型EVバス(画像 京阪バス株式会社)

これによって、年間のCO2排出量を1台あたり38.8トン削減できるため、4台でトータルすると155.2トンものCO2を削減することができるといいます。
また、エネルギーコスト(燃料代)も通常のディーゼルエンジンバスでは1年間で143万円かかるところ、EVバスでは40万円で済むそうです。(理論値)
特に、今は燃料代も高騰しているので、バス会社にとって見ればこの価格差は魅力的かもしれません。

少しずつではありますが、増えてきている次世代型のバス車両。
これからも全国的にこの流れが広がっていき、日本のCO2排出量削減に貢献していければいいですね。