ドラブロ ーバス運転士の徒然日記ー

バス運転士が日常の気になったコトやモノについて書き綴っています

「とさでん交通 コロナ収束後も経営難の見通し」のニュースについて

一昨日まで、高知市内で高知城や高知公園について検索していたからか、スマホのニュースフィードにこんな記事がレコメンドされてきました。

news.yahoo.co.jp

とさでん交通は今後の経営について、このままではコロナが収束しても資金繰りがつかなくなる見通しだと明らかにしました。

とさでん交通には、県や沿線の自治体が出資をしていて、定期的に経営側と県などが話し合いを行っています。きょうの会議では、コロナの影響で昨年度の売り上げが前の年度の半分に減ったことで純損益8億2千万円余りの赤字となったことが報告されました。そのうえで会社側は今後の経営のシミュレーション結果を示しました。
それによると来年度は追加の行政支援などがなければ資金繰りができなくなり、債務超過に陥る見込みです。さらにコロナが収束して売り上げが回復すると見込む2024年度以降も借金返済が厳しい状態が続きます。とさでん交通は県民の足を維持するために努力を続けるとしつつ、国などの支援を求めていくとしています。

記事引用元:高知さんさんテレビ

なかなか衝撃的な内容ですね。

2020年から始まった新型コロナウイルスパンデミックは、発生から2年が経過しても収束の兆しは見えていません。
特に2年前に発出された緊急事態宣言以降、旅行や外食といった人の動きが制限され、公共交通機関も大きな打撃を受けています。

ニュースで取り上げられているとさでん交通高知県内で路面電車や路線バスを運行する会社で、2014年10月1日に土佐電気鉄道高知県交通、土佐電ドリームサービスの3社を統合して立ち上げられました。
最近ではこのようなバリアフリー対応の超低床式電車を導入するなど、持続可能な交通機関としての取り組みも進めているようです。

超低床式電車 ハートラム

(画像 とさでん交通

コロナ禍の前後でどのような決算状況だったのか、直近5年間の比較をしてみましょう。
とさでん交通が決算情報で発表している、営業収益と当期純損益のみの比較です。

  • 平成29年3月期 営業収益:52億1985万4,000円 純利益:1720万1,000円
  • 平成30年3月期 営業収益:51億7273万9,000円 純利益:8620万6,000円
  • 平成31年3月期 営業収益:50億8900万4,000円 純利益:7016万1,000円
  • 令和2年3月期  営業収益:49億330万3,000円 純損益:▲8537万5,000円
  • 令和3年3月期  営業収益:26億7244万8,000円 純損益:▲7億8917万3,000円

このように比較すると、過去3年間で稼ぎ出した利益の10倍近い額が赤字で吹っ飛んだことになりますね…
売り上げもコロナ前の半分近くとかなり落ち込んでいます。

もちろん、これはとさでん交通に限った話ではなく、全国の鉄道・バス会社で起こっている現象です。
ただし、都市部のドル箱路線を持たない地方の公共交通機関はかなり厳しい状況に置かれているでしょうね。

コロナ禍でも通常運行で地域住民の足を担う交通機関に、行政からのさらなる支援が待たれるところです。